2015年9月13日日曜日

見えないJR西日本の北陸ビジョン

明日で開業から半年を迎える北陸新幹線は
景気の良い首都圏では新しい観光地の開拓
効果で成功を収めているようです。
首都圏のための新幹線ではありますが、上越
妙高駅から金沢駅までの区間はJR西日本の
管轄であることをご存知でしょうか?

つまり本来大阪に本社のある企業が現時点
では関西圏の人々のためではなく首都圏の
人々のためにがんばっているのです。
これはJRという企業がもとは国有企業であり
国の方針に従って運営していかなければ
ならないという縛りがあるからです。

これまでは、特急サンダーバードで大阪から
金沢・富山まで行く交通手段でしたが、新幹線
開業により金沢以東は別会社になったことで
一部和倉温泉まで行くものもありますが、
特急は大阪から金沢までに縮小されました。
そこから富山までは新幹線に乗換しなければ
ならなくなったのです。

金沢県、富山県が観光景気で沸く中、隣の
福井県も「早期延伸を!」と声を荒らげ、
金沢・敦賀間の開業を2022年に前倒し
することが決定しております。
しかしJR西日本の路線でありながら、首都圏
のための新幹線のため、国土交通省もその先
の敦賀から大阪までは、予算がないので
積極的ではありません。
新幹線の規格も在来線の規格も両方走る
ことのできる「フリーゲージトレイン」の開発を
しているようですが、1988年瀬戸大橋開業
からJR四国が実用化にむけ模索するも未だ
実用されないものに対し期待はもてません。

私が懸念するのは、これまで大阪から特急
サンダーバードで福井、金沢、富山へアクセス
できていたものが、北陸新幹線開業により
東京からのほうが便利になってしまい、東京
一極集中がますます加速してしまうことです。
しかもその運営を大阪の企業がおこなうと
いうことです。

大阪から敦賀までの北陸新幹線のルート案
に対してもめているようですが、そんなことより
JR西日本は早急に敦賀まで新幹線が延伸
された場合を想定して、敦賀で北陸新幹線に
乗換を簡単にできるような対策とるべきです。
予定では在来線の敦賀駅と新幹線の敦賀駅
と200m離れて、高低差も20m以上ある
そうですが、やる気はあるのでしょうか?
また開業後は大阪敦賀間に短縮されるで
あろうサンダーバードは現行のままで行く
つもりなのでしょうか?
たとえば湖西線全駅と東海道線山科大阪間
にホームドアを設置して、特急車両も更新し
最高時速150キロ以上の営業運転を申請
して、スピードアップと全国随一の在来線
特急を走らせるくらいのやる気はないので
しょうか?

JR西日本の北陸へのビジョンがぼやける
現状では、JR西日本がJR東日本やJR
東海を追い越す企業にはなれませんし、
関西経済もこのままフェードアウトすることは
必至です。