2018年2月16日金曜日

大阪市営交通民営化の懸念

大阪市営交通が民営化して
市営地下鉄は大阪メトロになります。
日本有数の黒字路線「御堂筋線」を
保有する新会社は間違いなく
関西有数の優良企業となります。

しかし、私が懸念するのは
路線バスのほうです。
現在、市バスという名前ですが、
実際に運行しているのは、委託された
「大阪シティバス」(一部は南海バス)
ですが、これを完全に大阪シティバス
に譲渡することになっています。
譲渡した10年間は、その水準を保ち、
路線廃止や大幅な値上げはしないとの
ことです。これ自体も怪しいのですが、
現在まともな黒字路線が4つだけで、
本当に市民の足が維持されるのか
不安です。

仮に片道10キロ、40分の路線を
7時から23時まで2台のバスで
60分毎に運行するとします。
車両価格1000万円10年使用、
乗務員の年収400万円×5人、
燃料費1日6000円だったとすると、
検査、修理や会社運営費を除いても
1年間2638万円必用です。
1日16往復32便運行で割ると
1便当たり2259円の収入が必用で
現在の運賃で言うと片道平均11人
乗車しないと黒字になりません。
(あくまで甘い試算です)

よく小さいバスを走らせれば
低コストと思われがちですが
一番のコストは人件費なので
走らせればコストはかかるのです。
だから田舎は専用車線をつくるなどして
早く自動運転化した路線バスを
営業させるべきと言っていますが
東京、大阪などの都市圏では
安全面で簡単には実現できません。

民営化すると税金を教育などに
拡充でき、もっと暮らしが豊かになると
吉村市長は言いますが、本当に豊かに
なるかはわかりません。