2016年9月11日日曜日

観光庁はどこまで現状把握できているのか?

現行の旅行業法施行要領は、旅行業者の依頼を受けて
旅行先でバスやガイドを手配したり、
現地ツアーを企画したりするランドオペレーターは
日本では旅行業者扱いされていなかったが、
旅行業としての登録を義務づける方向で最終調整に入った。
訪日旅行では、海外の旅行会社が
日本のランドオペレーターの企画する旅行商品を
訪日客に提案しているケースが少なくない。
ただ訪日客が急増し、無資格ガイドが免税店からの
キックバックを見返りに高額な商品を訪日客に売りつける
“ぼったくりツアー”のような悪質な旅行商品に対する
監視の目を強化し、安全性や信頼性を高めるのが狙い。

このような記事を見つけました。
しかし実態が少し違うのでコメントさせていただきます。
すでに多くのランドオペレーターは旅行業登録をしている
ところがほとんどです。
その日程の中に空白部分や曖昧な「買物」と称した部分を
組み込んで、そこに無資格かどうかはわかりませんが
免税店を組み込んで、キックバックを得ているのです。

しかし、これには別の問題があります。
たとえば中国から日本へ行くツアーの現状です。
中国国内での価格競争が過熱しているので、
中国の旅行社から日本の旅行社に手配依頼が来た時点で
宿泊費用も交通費もかにり厳しいものになっています。
やっと宿泊地と交通費を法に触れるか触れないかで
手配できても、日本の旅行社に利益が残らないのが
現状なのです。
中国側は膨大な本数のツアーを日本側に卸しているので
強気で、利益がなくとも売上としてはアップになるので
日本のランドオペレーターはすべて飲み込みます。
しかし、利益がないと社員に給料は払えません。
そこで粗悪とわかっていても、そのわうな免税店を
使うしかないのです。

訪日客に有償で通訳ガイドを行う通訳案内士の業務独占廃止
ということばもこの類の記事のどこかで目にしました。
しかし、独占云々よりも、通訳ガイドの数が圧倒的に不足しています。
たとえば通訳の日程がとれないため、
関西に5日間滞在するツアーのうち大阪にいる1日を免税店の
店員が通訳として同行し、その1日通訳は東京から日帰りで
京都を観光する別の外国人旅行者の案内をしているケースなど
ざらです。

地盤が整備されていないから粗悪な免税店が暗躍できるわけで
観光庁はこの現状把握ができているなら、法で縛る前に
やるべきことをやってほしいものです。