2016年8月12日金曜日

甲子園球場の浜風でレフトフライが伸びる理由

今日、高校野球で「ライトからレフトへの浜風が吹いており
レフトへのフライは伸びますが、センターへの飛球は
戻されます。」と言っていました。

そもそも甲子園球場の浜風でレフトフライが伸びる理由を
皆様はご存知でしょうか?
まず浜風というのはライトからレフトへ向かう風です。
常識で考えるとレフトフライは伸びるのではなくファール
になるはずです。

野球場の規格は両翼約98m、中堅約122m以上ですが
甲子園球場はこの規格には達していないものの、
それ以外の部分は達している東京ドームより広いことを
以前説明しました。
その外野の左中間からレフト後方にかけてが深いことから
通常の打球では東京ドームなどではホームランになる
飛距離もレフトライナーやレフトフライになります。
ところがそこに高い打球を放つと甲子園の場合はレフト
ポールの位置が極端にホームベースに近いため
ファールではなく、外野席とアルプススタンドの間に入る
ホームランとなるわけです。






















ですから「ライトからレフトへの浜風が吹いており
レフトへのフライは伸びますが」は伸びるのではなく
構造上ホームランとなる場所に流されているのです。
「センターへの飛球は戻されます。」という表現は
間違いです。

また「ライトのポール際の打球は意外とのびます」
という甲子園での実況をよく耳にしますが、
伸びているのではなく、ポール際のフェンスが
ホームベースに極端に近いため、風に影響されない
ライトへのライナーは普通の球場よりもホームランに
なりやすいのです。

こういったグランドの形状が一般的な球場と違うところや
外野スタンドが巨大であったり、銀傘で覆われた内野
スタンドなどの特殊構造が、甲子園球場が
「特別な野球場」とされる一因です。