2015年10月23日金曜日

大阪市営交通民営化は高齢化社会にはそぐわない

大阪市営交通民営化への準備のための法案が
共産党以外の賛成多数で可決しましたと今日
夕方のニュースが報道しておりました。

大阪の地下鉄は近年優秀な業績を残しており
目安とされる営業係数(100円の利益をあげる
ために必用なコストで、100ならトントン低ければ
低いほど良い数値)で御堂筋線は昨年45.5
でした。
この数字がどれくらいのものかと調べてみました。
2007年の資料なので比較対象となるかどうか
わかりませんが、JRグループの営業係数ベスト5は
下記のとおりです。

1位 JR東海 東海道新幹線51.1
2位 JR東日本 山手線57.1
3位 JR東日本 赤羽線57.8
4位 JR東日本 東海道本線(東京-熱海)59.8
5位 JR東日本 横浜線61.9

つまり、御堂筋線は我が国屈指の営業係数
だったのです。
ちなみにわが地元港区を走る中央線も66.8で
ベスト5には及ばないものの、都心の鉄道と比較
しても優秀な数字になっています。

よって大阪市営交通は民営化すべきです・・・
なわけないやろ!(棒読み)

というのは分割民営化すればバス事業が
潰れてしまうからです。
昨年の資料によると大幅な路線廃止や統合を
したにもかかわらず、全路線の2/3が赤字です。
名古屋市8割強、横浜市6割強、神戸市3/4
の赤字路線割合と比べると赤字路線が多いと
いうわけではありませんが、単独の民営化は
コスト削減だけで済む数字でもありません。

わが港区の営業係数では、天保山・大阪駅前が
75、天保山・なんば間が77と上位優秀路線
ながら、大通り以外を路線とする地域系統が
なんば・八幡屋三161、天保山・ドーム198
すでに廃止の天保山・鶴町四が291と最下位
近くにならびます。

しかし他の都市とくらべ大阪市は地下鉄が優秀
なので、市も経営に関わり、地下鉄バス一体
ならば、地域系統もある程度は維持できます。
バスの利用特に地域系統は圧倒的に高齢者が
主です。
敬老パスの有料化はやむをえないでしょう。
利用者の少ない路線の削減も仕方ないでしょう。
しかし営業係数200に満たない路線は、廃止
すべきではない、そのためには現在のスタイル
がベストと私は考えます。