2015年11月25日水曜日

自称イスラム国に参加する若者の悲劇

トルコがシリアとの国境付近でロシア軍用機を
撃破して、ロシアが対自称イスラム国包囲陣
の連携を乱すのか懸念されています。
今日はこの問題ではなく、自称イスラム国
についてのおさらいです。

かつてイスラム国と呼ばれていましたが、
テロ集団に「国」と呼ぶのはふさわしくないと
いうことで、「IS」「ISIS」と最近メディアで
呼ばれていますが、これらも和訳すると
「国家」となってしまいます。このことから
独立総合研究所の青山繁晴代表が某テレビ
番組で「自称イスラム国」と称していたことから
私もこれにならっています。
自称イスラム国の目的はそう自称するように
イスラム教の国家樹立を目的としたテロ組織
です。

しかし、残念ながらテロ組織はテロ組織である
からこそ戦っていけるのです。
現状、周辺国や大国すべてが自称イスラムに
敵対しています。これが100年前であれば
シリア全土を爆撃し、すべて焼き尽くして
あっさりと戦争は終わります。
しかし今それをすると世論が許しません。
つまりシリア国内に潜むテロリストだけを
潰す必要がありますが、これがやっかいで
戦いは長期化しているのです。

もし、自称イスラム国が国家イスラム国と
なればどうでしょう?
各国は宣戦布告して、すべて破壊することが
可能となります。日本が原子爆弾を被弾した
ように、シリアに対して、アメリカ、中国、ロシア
などの軍事力の大きな国家は競って新兵器を
実験を兼ねて投入し、軍事見本市会場と
なります。どさくさに北朝鮮の参戦もありえます。
実際は市民を巻き込むので国家として認められる
ことはありませんが、認められたとしても
自称イスラム国に未来はありません。

そこで、可哀想なのは諸国から自称イスラム国へ
入国する若者たちです。ちょっと考えれば自殺
行為であることに気づくはずなのですが、
洗脳が恐ろしいのか、各国の社会の闇が
恐ろしいのか、私にはわかりません。
ただ言えることは、絶望に希望を見る若者が
世界中にたくさんいるという事実から、
自称イスラム国が殲滅されても、第二、第三の
自称イスラム国は生まれるということです。