2016年7月9日土曜日

I've Never Been to Me (愛はかげろうのように)は40年前につくられた現代日本の一角

I've Never Been to Me (愛はかげろうのように)
1977年にリリースされたシャーリーンの名曲です。
最近この頃のポップスを集めて聴いているのですが
ネットで歌詞を調べてちょっと衝撃でした。
I've been to paradise
というフレーズが耳に残っていて
荒井由実の「ナビゲーター」と同じように
カリフォルニアでもニースでも、どこだって
愛する人とならパラダイスという歌だと思っていた
のですが、実際は現代の日本社会の1場面を
描写したような歌詞で、
40年前の内容ではなかったのです。
ワンコーラスのAメロとツーコーラスのサビの
部分だけ抜粋して訳して見ますと・・・

Hey lady, you lady
cursing at your life
You're a discontented mother
and a regimented wife
I've no doubt you dream about
the things you'll never do
But,
I wish someone had talked to me
like I wanna talk to you.....

while I've sipped champagne on a yacht
I've moved like Harlow in Monte Carlo
and showed 'em what I've got
I've been undressed by kings
and I've seen some things
that a woman ain't supposed to see.......

I've been to paradise
but I've never been to me...

ねえ お嬢さん あなたは自分の人生が
ひどい人生だと思ってるでしょう
子育てにも 夫にも 疲れているあなた
わかるわ 
あなたが、できないことをやりたいと思い描く夢
でも、私がこれから、あなたに話すように
誰かが私に話してほしかった

私はニースにも ギリシャの海にも行った
豪華なヨットでシャンパンを楽しみながら
モンテカルロでは夜の蝶を気取って
若い女の魅力を発散したりもした
いろいろな権力者に抱かれて
普通なら見ることができないものも見てきた
私はたしかに天国のような理想の場所にいた
だけど、それはかげろうのような幻想


男女平等社会、女性の社会進出の陰で
目の前の幸せよりもさらにハードルをあげているため
女性の高齢出産や少子化ということが
影響している現在の女性心理と、実際に
欲望を満たしたものの振り返ると何も手にしていなかった
という女性の人生を歌にしているのです。
幸福とは何なのか?という哲学的な1曲です。