2016年7月7日木曜日

アリ対猪木

モハメッド・アリの死去に伴いテレビ朝日が追悼番組として
テレビで1976年のアリ対猪木の試合ドキュメントを放送し
先日よみうりテレビでその検証をしていました。
その中でパネリストの長谷川幸洋氏が
「なぜモハメッド・アリはパンチを撃たなかったのか」と
疑問を持っていたようですが、答えは簡単です。
パンチを撃って勝てる保証がなかったからです。

私も当時は子供で、テレビで見た時は
「八百長臭い」「アリは引き分けるよう言われていた」
などと思っていました。
しかしこの歳になって再び見てわかりました。
あれは真剣にやった結果です。
まずリアクションが物語っています。
試合前のアリの挑発はパフォーマンスでしたが、試合中のは
ガチです。そもそも英語が通じないのにブツブツ言い過ぎで
明らかに苛立っていました。
もうひとつはグローブです。
当時あんな小さなグローブをつけたボクサー見たことないです。
ボクシングの試合でないことをいいことに、1ラウンド開始後
秒殺して早々と試合を終わらせて、夜遊びする計画だったのが
見え見えです。
それがいきなり猪木に寝転ばれて、計画がとん挫して苛立つ
様子が、今回の追悼番組でよくわかりました。

この一戦は「異種格闘技」のパイオニアとなり、猪木が開いた
新日本プロレスでは前田日明が喧嘩スタイルで、平成になって
K-1グランプリとガチな格闘スタイルは確立されます。
こうした現在もしアリ対猪木が実現すれば、アリはマウンテン
スタイルでパンチを放ったと思います。しかし異種格闘技のない
あの当時、アリにも猪木にもそれが想像できなかったのです。
想像できないゆえに事前にトレーニング、スパーリングも
できなかったのです。
「1を2や3にすることは簡単でも0を1にすることは難しい」
まさにそれがアリ対猪木です。