2015年12月18日金曜日

橋下大阪市長退任

大阪市の橋下市長は市長の退任にあたって午後1時から
大阪市役所で記者会見しました。

「市民には、5月の住民投票をはじめ選挙を通じて、重要な
判断を下していただいた。僕が示した大阪の将来像について
前に向かって進もうと考えていただいたことに感謝する。
自治体の長の仕事は限られた財源でどのように住民サービスの
転換をするかだ。借金を増やすのでなく高齢者に過剰に出ていた
補助金を、不足する教育、子育てに回した。ここまで大規模に
住民サービスの転換をした自治体はない。持てる力を全部
出し切ったし、これ以上は無理だ」
と述べ、これまでの活動を総括しました。
そのうえで、橋下氏は「僕が反発を食らう改革はやり尽くした。
次の松井知事、吉村大阪市長は議会などと協議して、
修正を繰り返しながら進めていく段階だ」
と述べ、みずからが退いたあとは、「大阪都構想」の練り直し
などを巡って、各会派の協議が進むことに期待感を示しました。
市民に向けては「僕からの問題提起には市民に負担してもらう
こともたくさんあった。迷惑、苦労をかけたのは申し訳なかった。
僕が考える大阪の将来像に向かい、前へ向かって進んでいこうと
支えてくれたことに感謝している」と市民に謝意を述べました。

もちろん、昨日の女子サッカー澤穂希選手のしみじみとした
引退会見とは違い、今日市長を退任したあと、明日から
国会議員でもするのではないかという勢いの退任会見です。
自らの発言が朝日新聞の慰安婦記事の誤報を認めたなど
メディアへ批判から始まり、今後の国政についてまで、2時間
喋りっぱなしの退任会見でした。
「退任会見には見えない」
これが見た人みんなの感想です。

「地方分権なんかやって、国が持っている権限が地方に移るのは
国会議員としては耐えられない。
普通のサラリーマンはなるべく仕事を少なくしようとするが、
政治家の場合は汗かかずに役人にやらせるわけ。
権限と財源を持っていることはプライドや気持ちいいものがある。」
ここが、私がこの会見で同意する部分です。
橋下市長がこの8年歯がゆく思い、事実これが為によくならないのが
日本の政治です。
しかし幸いにも次の市長は自分の考えを引き継いでくれる人材なので
満面の笑顔で政界から一旦身を引きますが、地方政治のためには
憲法の改正が必用ということを今日改めて発言したことからも
次の衆議院選挙出馬は確実です。

メディアと敵対し、元ラガーマンよろしくとすぐ熱くなる問題発言、
市役所職員との裁判など、決してすべてよくはありませんでした。
しかし、この8年間で腐敗した大阪の膿(うみ)が絞り出されたのは
事実です。
「政治に関心を持たせてくれてありがとう」
退任後、大阪市役所を後にする橋下氏に大阪市民から叫ばれた言葉、
私の思いも同じです。
お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。