2015年8月1日土曜日

大阪市の鉄道延伸で最も危険な計画

先日の「京阪中之島線」についてや「なにわ筋線
についての呟きのつづきです。

京阪中之島線が大赤字なので凍結されていますが
実は、中之島からUSJまでの延伸が中之島線の
計画当初から予定されていました。延伸する間の
駅を「西九条」だけにすれば、USJ周辺の空地は
高層住宅に姿を変えているので、私は利益を見込
めると思っています。

しかし問題はこの先です。この中之島線延伸も含め
「大阪府が推進する4路線」以外に大阪市で鉄道
延伸の計画があるのです。
JR桜島駅と市営交通のコスモスクエアを結ぶ路線
です。「大阪府が推進する4路線」は新規の需要を
見込めなくても、既存客の利用を見込めることなど
から、赤字を抱えた場合でも廃線される事態には
ならないと思うのですが、この湾岸鉄道ラインは
現状では営業運転後数年で廃線の可能性のある
極めて危険な計画です。

たとえば「なにわ筋線」が危険とは言え、天王寺と
新大阪が結ばれれば、環状線の混雑緩和などの
効果はでます。しかしコスモスクエアと桜島が
結ばれても、わざわざ市内から一旦大阪湾を通り
また市内に戻る迂回をする人はいません。
そもそも地下鉄とJRの規格が違うため、乗入が
できないため、桜島での乗換が必用となります。

鉄道を通す需要があるのでしょうか?
ズバリありません。
コスモスクエアは企業誘致に失敗したものの
高層住宅の建設が相次いでおり、WTCビルが
大阪府庁別館となったこともあり、地下鉄中央線
を赤字から黒字に転換させた点のひとつとなって
いますが、計画されているその先の夢洲、舞洲
は鉄道の需要がなく、JR桜島も赤字駅です。

夢洲は2008年大阪五輪の舞台となる予定でした
が誘致に失敗し、現在はカジノを主体としたIR
を計画していますが、いつ実現するか不明です。
現在はコンテナヤードや物流倉庫しかなく、人の
流れはまったくない荒野です。
舞洲は昨日高校野球の舞台となる球場をはじめ
とする広大な公園と工場、倉庫ばかりで、ここも
人の姿は普段は見かけません。

夢洲にしろ舞洲にしろ鉄道を通すには最低1万人
駅での乗降客を確保する必要があり、その規模の
街をつくらなければなりません。
しかしながらコスモスクエアと夢洲の間の海底
トンネルはすでに供用可能となっており、この
予算を無駄にしないためにも、IRを誘致するしない
は後回しにしても早急に街づくりの計画を練る
必用があると思います。