2015年7月29日水曜日

ホームランとドームラン

東京ドームの天井は大阪の「太陽工業」という
企業が作りました。
大阪万博のパビリオンを作り海外から認められた
企業ですが、もともとは私の住む港区の隣の大正区で
創業したテント屋さんです。
つまりあの屋根は巨大なテントなのです。

雑にいうとテントに風船のように空気を入れて
野球場の真上に浮かせているわけです。
屋根を空気で持ち上げてバランスをとっているため
開業時は東京ドームのことをエアードームと呼ぶ人も
いました。
本体の野球場は外野の方が低いためやや外野側
上空に向けて圧力がかかっています。この気圧差
がないと天井が落下したりずれたりする可能性も
あります。ですから東京ドームの出入口は解放
できないのです。












もともと両翼100m中堅122mという基準ギリギリを
クリアしているものの、それ以外は窮屈に設計
されている狭い外野のフィールドなのですが
通常の球場で大飛球となるものがホームランと
なるのも、この仕組みが影響していると言われて
います。

太陽工業の屋根は埼玉スタジアムなどの日本を
代表するサッカースタジアムでは採用されて
いますが、すべてスタンドの上のみで、スタジアム
自体を密閉するものは、巨大スタジアムでは
東京ドームが最初で最後のようです。

別に松井秀喜選手の本塁打にケチをつけるわけでは
ありませんが、東京ドームで本塁打をよく打つ選手
がそれ以外の球場で打てるかどうかはわかりません。
ただ「ドームラン」などと言われるように、通常は外野
フライで収まるものが東京ドームだとホームランになる
ことは事実で、両翼と中堅のサイズが基準を満たして
いるからそれでいいのかどうかは疑問に残るところです。

ただ私の愛する甲子園球場は国内屈指の広さを誇る
球場でありながら、両翼95m中堅118mと国内基準を
満たしていません。
日本でいちばん素晴らしい球場であるためにも、
外野席最前列の通路とアルプス席前部を削って、
通路と減った客席を補完するために外野席後部に
室内席と新しい通路をつくり基準を満たしてほしく
思います。