2017年9月9日土曜日

小山正明氏

阪神OBで歴代3位の通算320勝を挙げた
小山正明氏(83)が8日、長年務めてきた
兵庫県の独立放送局・サンテレビジョンの
野球解説から引退することを明らかにした。
最後の解説となったこの日の阪神-DeNA戦
(甲子園)では、阪神・鳥谷が通算2000安打
を達成し名球会入り。小山氏は「最後の解説の
試合で鳥谷がよう打ってくれた。この1試合、
2試合で打つやろうとは思っていたけど、
思い出に残る試合になったわ」としみじみと話した。

ネットにアップされたデイリースポーツ
記事の抜萃です。
私も小山氏の現役時代は知りませんが
この時代のエースと呼ばれる投手は
まだローテーションが確立されていない
こともあり、今と比べられないくらい
過酷な環境の中、たいへんだったと
思います。

実は昨夜私は小山氏の挨拶の場面だけ
偶然テレビで見ました。
小山氏と言えば
「しかし最近のボールはよく飛ぶねぇ」
「100球投げて交代というのは如何なものか」
など、昔の野球と今の野球を比較した
コメントが多く、一部ファンからは煙たく
思っていたようです。
しかし、400勝投手の金田氏や3000本
安打の張本氏などと比べれば、現代野球と
いうものもよく理解しており、私は個性的で
聞きやすい解説者のひとりでした。
ただ最後の挨拶でちょっと驚きました。
鳥谷選手が2000本安打達成して
「最近の野球」について語るのかと思いきや
サンテレビの野球中継を熱く語ったのです。
最近は地上波での野球中継が減り
中継しても試合途中で放送時間が終わることの
多い中、積極的に阪神戦の中継を試合終了まで
完全中継する放送局に最大の賛辞を興奮気味に
語っていました。

いくら選手ががんばって、球場が連日満員でも
多くの人から愛されるにはメディアの力が
欠かせません。小山氏がタイガースに入団した
1953年はテレビ放送が始まった年です。
テレビの力で孤高の人気球団となった巨人を
見てきた小山氏にとってテレビとりわけ地上波
の影響力を身に染みて感じる小山氏らしい
発言であり、「古い野球観」と言われながら
このような視点で語る小山氏は貴重な解説者
だと思います。
レギュラー解説は引退とのことですが、
これからもゲスト解説を期待しています。