2017年9月1日金曜日

阪急電車が伊丹空港に乗り入れようとする理由

阪急電鉄が阪急宝塚線曽根駅から
約3キロメートルの地下を通り
大阪国際(伊丹)空港に乗り入れる
新線を検討しています。
実現すれば大阪・梅田と伊丹空港が
1本で結ばれ、所要時間も20分を
切り便利になります。
今後同路線を使う乗客の需要を予測し、
採算ベースに乗るか見極めてから
事業化を決めるそうですが、現在も
モノレール乗換で最速約25分で
行けるのになぜ新線なのでしょうか?

これは間違いなく、今後の乗降客
減少に対する脅威を払拭するものです。
少子高齢化、首都一極集中で
関西の私鉄はどこも乗降人員や
収益が減少傾向に陥っています。
新しい住宅街に新駅を設けたり
インバウンド需要でトータルでは
微増かもしれませんが、このままだと
間違いなく経営に問題が生じます。

特に阪急電鉄は関西空港や高野山へ
行くインバウンド需要の多い南海電鉄
と比べると、その部門での成長は
見込めません。
かといって昭和から平成にかけての
郊外に住宅街を作り需要を生み出す
作戦も、市街地に住むのがトレンド
となった現在では時代遅れです。
鉄道以外にお金をかけて需要が
見込めないのなら、鉄道にお金を
かけるしかありません。

ただ心配なのは需要があるかです。
たとえ今需要が見込めると判断しても
将来、リニアや新幹線が関西空港に
乗り入れる時代が来ると、国内線も
伊丹から関西へシフトする可能性が
あります。
阪急電車というブランドが今後
どのようになるのか、命運を分ける
判断となりそうです。