2016年1月12日火曜日

今後の自動車産業

安倍総理が「2020年の東京オリンピックの時期には
自動運転で走る自動車を見せて、訪日外国人の皆様
を驚かせたい」という発言をして、それに沿って業界や
関係団体も動いているようです。
しかし、現実的にそれは難しいと私は思います。

確かに技術は凄く、センサーによって自動運転は
すでに可能になっているといえます。
ただ長年使用して老朽していった場合の欠点は
数年での実験では解決できません。
もうひとつの問題は「法律」です。
もし、人身事故、とりわけ死亡事故が起きた場合
メーカーが裁かれるのでしょうか?技術者個人に
責任が向けられるようなら、「一億総活躍社会」にも
陰をおとします。

それよりもエコカー技術の向上が急がれるのでは
ないでしょうか?
デトロイトのモーターショーの主役は「高級車」と
「エコカー」だったようです。日本は「プリウス」をはじめ
この分野でトップを走っているのは間違いありません。
しかし電気製品で10年前まで敵なしの日本が、
ここにきてシェアをおとしているという現実があります。
電気自動車にしろ水素自動車にしろ、技術が限界に
達すると、次はコストを問われます。今、自動運転に
気を取られていると、最終的にコスト競争まで来た時に
電気製品の二の舞となりかねません。

もちろん、高齢化に適した車が今後求められるはず
なので、自動運転技術も必用です。エコカー技術も
自動車業界だけではなく、燃料補給ポイントの問題も
あります。しかし、自動車業界は優先順位を誤ると
総倒れになる危険性も隣り合わせにあることを
考えながら方向性を見据える必用があります。