2016年10月25日火曜日

今里筋線が黒字にならない理由

自民党大阪市議が大阪市営地下鉄民営化に賛成するための
条件として挙げた中で「地下鉄今里筋線の湯里6丁目までの
延伸」に関してのみ吉村市長は受け入れませんでした。
最近まで今里筋線を毎日利用していた私が言うのも何ですが
そもそも今里筋線をなぜ作ったのかよくわかりません。

大阪市東部の交通利便性の向上、市内地下鉄の混雑緩和
いろいろな期待をされていましたが、梅田、なんばなどの
市内中心部を外れたコースでは利用者は見込めません。
これは大阪経済大学のそばに駅がありながら、遠く離れた
阪急上新庄駅を利用する学生の姿からもうかがえます。
路線の北部、太子橋今市~関目成育は谷町線とも被るため
コース自体も強引で新森古市駅の両側はいずれも直角の
カーブがあり所要時間もさほど早くありません。
このコースについて、鶴見緑地線の車両工場との共用のため
という人もいますが、最近つくった中央線と四ツ橋線の
連絡トンネルのように、蒲生4丁目でつくることも可能だった
はずですが、とにかく新森や清水に地下鉄をつくりたかった
のでしょう。

赤字であれば少しでも黒字に近づけようという努力を
してもいいはずです。しかし、いまだに太子橋今市~今里は
路線バスも運行しており、この間は今里筋線で280円ですが
バス利用だと210円と70円お得になっています。
バスを失くせとはいいませんが、当てつけのように同一コース
にしているのは、今里筋線の利用者を増やす気がないとしか
言えません。

市内を走る地下鉄と同じ規格なら谷町線や千日前線に
乗り入れることも可能でしたが、工事予算を減らすため
規格を変えているのも発展の道を閉ざしています。
今の豊洲新市場のように、当時は作ってしまえばこっちのもの
という考えだったのかもしれません。
市バスの井高野車庫を潰して大阪市議会を移転したところで
黒字になりそうにありません。
妥協して自民党にすり寄ってはいても、吉村市長は有能です。