平成にはいると「ビーイング系」と呼ばれる
露出の少ないミュージシャンが台頭してきます。
最初はドラマ主題歌やCMソングとのタイアップ
が多かったのですが、次第にアニメにも進出
します。「スラムダンク」や今も放映が続く
「名探偵コナン」がその例です。2000年頃
には売上のピークを過ぎた浜崎あゆみや
ELTも登場し、このavexの戦略にsonyも
対抗し1997年「aniplex」の前身となる
関連企業でアニメに本格参入します。
音楽を売るためにアニメにひっつく傾向は
ミュージシャンをセールスするだけでなく、
アニメの声を担当する声優を歌手として
売り出す戦略をとるところも増えてきます。
1996年林原めぐみが「Give a reason」で
トップ10入り後数年間ヒット曲を連発した後
2004年「innocent starter」で初のトップ10
を果たした水樹奈々は2009年よりNHK
紅白歌合戦に毎年出場して声優歌手という
ジャンルを築き上げました。
椎名へきる、平野綾などなかなか売れても
苦戦している現実はありますが、今後も
各社声優歌手を成功させようという野望は
声優がアイドルのようにユニットを乱発して
組む状況から察せます。
声優歌手がなぜこれほど増えているのか?
もちろんアニメという媒体が販売に長けている
ところもありますが、声優が歌を歌うと普通の
歌手とは違う表現力があるからだと思います。
國府田マリ子の「私が天使だったらいいのに」
がその代表と言えます。
もうひとつはアニメの雰囲気を持ち込みたい
狙いがあります。「けいおん!」のオープニング
テーマ「Cagayake!GIRLS」「GO! GO! MANIAC」
が象徴するようにアナウンサーか声優じゃないと
歌えないような歌いまわしができ、それによって
自由奔放で新しい言葉を歌詞に散りばめて
独特のポップスが完成するのです。
この流れが少しずつ新しいアニメ主題歌への
流れになっているように思います。
アニメのCD売上も業界全体の下げ幅よりは
緩やかなものの下落傾向は否めません。
そんな中アニメにハマった人が主題歌を
買いたくなるような音楽をつくる必要が
あります。その結果、作品に準じた歌詞を
用いる風潮になっているのです。
音楽を作る側としては今までよりハードル
が上がりますし、レコード会社も苦労は
すると思います。しかしアニメファンの
期待を裏切らないことは過去の歴史が
証明しています。