橋下大阪市長と松井大阪府知事が推進する
大阪都構想はいよいよ5月の住民投票へ
ステージをすすめます。
大阪の自民党は依然反対しているものの
安倍総理、菅官房長官は
民意に問うて、その結果を尊重したいと
住民投票に理解を示しています。
「住民投票」と言えば、今から10年以上前
滋賀県のとある町長が住民投票により
リコールされ、町長が地位を失った
ということがありました。
詳細を簡単に言うと、
「新しい校舎を建てたので
古い校舎は潰します。」
という町長に住民が猛反対して
町長がリコールされたのです。
旧校舎に建築物としての価値があることが
反対理由になっていました。
1937年卒業生の丸紅役員が私費で
建築したその校舎は「白亜の殿堂」と
謳われ、階段の手すりは童話「兎と亀」を
テーマとしたブロンズが施され
美しいつくりとなっています。
町には特色もなく
地域住民はこの旧校舎を保存して
町のシンボルにしようとしたのです。
リコール後もごたごたの末、
新校舎は2004年に完成し、
児童は現在ここで学んでいます。
2007年町長と住民は和解して、
旧校舎も耐震工事を経て健在です。
アニメファンならご存知と思います。
2009年から放映されたテレビアニメ
「けいおん!」の舞台のモデルとなった
滋賀県豊郷町立豊郷小学校の話です。
「けいおん!」のヒットにより
全国の、いいえ海外からも
「アニメの聖地巡礼」として
多くの観光客が訪れ、最近では
大手旅行会社からも地域の名所として
とりあげられるほどになりました。
政治の目論見とは違う道筋を経て
結果に辿り着いたのです。
政治がよかれと思ってしたことも
単なるエゴに過ぎない場合もあります。
橋下市長、松井知事はそのことを肝に銘じ
大阪都構想の住民投票に臨み
結果がどうであれ、投げ出すことなく
問題と対峙していただきたいと思います。