アメリカのウォールストリート・ジャーナル紙は
安倍晋三首相による消費増税の再延期の判断について、
6月1日の社説で、増税延期の判断は
「役に立たない一時的な救済」と批判しました。
ムーディーズは格付け引き下げを検討しています。
しかし6月3日13時の時点で為替レートは1ドル109円と
消費税再延期決定前よりむしろ少し円高になっています。
アメリカ経済の先行き不安か、
消費税増税延期は予想通りだったのか
投資家が何を考えているのか、私にはわかりません。
しかしウォールストリート・ジャーナル紙に代表する
アメリカ経済界の言い分に説得力がないのは明らかです。
格付け会社も無能です。
消費税増税延期のネックとなっていたのは、
国際世論の日本経済への不信感だったのですが
伊勢志摩サミットを利用しての延期発表に
国際世論も納得したから、円高に転じないとすれば
「裏アベノミクス」の勝利と言えます。
円とドルの為替相場に動きがなかったということは
「役に立たないわけではなかった救済」だったのです。
この勢いで昨年ギリシャが行おうとした「デフォルト」を
日本なら、やってのけられるはずです。
この先も安い賃金の国家が生産する体制がつづき
物価が上がることなく、景気はよくなりません。
政府は景気をよくして物価をあげ、消費税が上がっても
痛みのない経済状況を作りたかったのですが
それは無理です。
しかしながら年金受給者は増え続け、3年後には
確実にパンクします。
せめて今ある赤字は消しておかないと、大変なことに
なります。
格付け会社が国債の格付けを下げても国債を日銀が
すべて回収すればなんてことはありません。
説得力のないアメリカやEUの視線など気にせず
断行してほしいものです。