昨日のべたとおり、音楽とアニメの融合ははじまったわけですが、
その後変化がおきます。映像の時代の到来です。
1995年10月放映開始したテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」は
1997年時点で1本5,000円以上するビデオが累計約300万本売れ、
レコード会社はアニメを収益源として考え始めます。
もともとテレビで放送した内容を商品化するだけなので
ほとんど原価はかかっていないため、売れれば売れるだけ
レコード会社としてはボーナスポイントのようなものです。
エヴァンゲリオンのヒット以降レコード会社のメインは映像になりますが
ふたたび音楽に流れが来ます。
2006年放映の「涼宮ハルヒの憂鬱」は主題歌もヒットしますが
劇中歌もオリコン5位にランクインさせ、劇中では使われない
登場人物をイメージしたキャラクターソングをヒットさせ、翌年には
音楽セールスのトータル100万枚突破を実現します。
これで音楽の可能性を切り開いた京都アニメーションが
所謂ひとつの完成形とした作品が2009年放映「けいおん!」です。
「けいおん!」は「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」とアニメ制作企業
「京都アニメーション」が培ってきたアニメのキャラクターがさも
リアルに歌って演奏しているような動きをブレークさせた作品です。
「けいおん!」の作品自体に興味なくとも主題歌「don't say lazy」を
見れば魅力にハマるほどすばらしいできです。
また、「けいおん!」は曲選定も素晴らしかったアニメです。
最初の劇中歌「ふわふわ時間」はオリコン3位とヒットしましたが
「どうせそのあとは・・・」と思っていたら「私の恋はホッチキス」が
予想以上に素敵な曲で、作品で登場人物が演奏する場面も
すごくリアルに印象的に作りこまれており、音楽とアニメの融合は
ここに完成したと感じる場面でした。
このあと翌年発売の主題歌がオリコン1位、2位を獲得、アニメの
キャラクターがオリコンシングルチャート1位をはじめて獲得し
最早一流アーチストからも気になる存在となります。
この時オリコンは「藤圭子、松田聖子につづくオリコン史上3組目の
1位、2位を独占した女性アーチスト」と紹介しており、完全に
音楽として認められています。
そしてこの流れを汲み「アイドルマスター」「ラブライブ」が放映され
映像も音楽もヒットを連発させていますが、その流れもそろそろ
マンネリ化の空気が流れてきています。
さらなる融合を期待します。