文化庁メディア芸術祭アニメーション部門において
過去テレビシリーズ・長編で大賞を受賞した作品は
第14回(2010年)四畳半神話大系
第15回(2011年)魔法少女まどか☆マギカ
の2作品だけです。
昨年、一昨年は優秀賞すら受賞作品がありません。
今回と次回は「魔法少女まどか☆マギカ」について
その作品から派生するお話です。
昨夜ぼーっとテレビをつけっぱなしにしていると
突然聞きなれた台詞が聞こえ、見るとなぜか
「魔法少女まどか☆マギカ」をダイジェストで流して
解説していました。NHKの音楽番組「SONGS」と
知ってちょっとびっくりしつつも見ました。
「魔法少女まどか☆マギカ」の作品のすばらしさは
今回おいといて、そのEDテーマ曲を歌ったKalafina
がフランス公演が大成功したことを映像で
伝えていたことについて、今回補足します。
これまでは、日本で成功したミュージシャンが
次なる目標として全米進出するパターンが
流行していました。空前のブームを巻き起こした
「ピンクレディー」、日本ロック界のパイオニアである
「矢沢永吉」、私の好きな小田和正もオフコース
全盛期に全米向けのアルバムを発売しました。
たいていは日本でヒットした曲を英語にして
リリースするのですが、たいてい悪い結果となります。
Kalafinaだけではなく、インターネットが普及した
15年くらい前から、日本のアニソン歌手やアニメの
主題歌を歌うミュージシャンは日本で有名でなくとも
アメリカやフランスのコンサートはたいてい満員御礼の
大成功を収めています。しかも、過去の一流ミュージシャン
のように、わざわざ現地のことばで歌うのではなく
普段通りの日本語で歌っています。
事実、HIMEKAというカナダ人女性はアニソンの魅力に
魅かれて日本語を習得しアニソン歌手として日本で
デビューしています。
これこそが「アニメの力」なのです。
勝負はアメリカやフランスに行く前からついているのです。
アニメ作品の質がよく、それに準拠した主題歌であれば
海外でアニメ作品がヒットした時点でたいていは
主題歌やそれを歌うミュージシャンもヒットしたことに
なるのです。
最近の一流ミュージシャンの中には、この点に目をつけ
敢えてアニメの主題歌のタイアップで世界進出を目論む
アーチストも登場するほどです。
深夜アニメ普及の背景に「出版社」「ゲーム会社」と
「レコード会社」がセットとなりスポンサーとしてタイアップ
している点がありますが、特にレコード会社が
必死になっているのは、アニメがヒットした際に日本国内
だけではなく、海外の売上も見込めるからなのです。