今、日本が様々なテレビアニメを大量生産できるのは
アニメを制作すると、出版社、ゲーム会社、レコード会社が
もれなくサポートし、放送局もコンテンツ拡充のため
アニメ作品の争奪戦を繰り返すところにあります。
出版社は自社のマンガがアニメ化されると部数アップに
繋がります。
ゲーム会社はアニメ作品のゲーム化のためスポンサーに
なります。
レコード会社はもちろんアニメで自社の売上アップを
狙うためスポンサーになります。
では、レコード会社は昔からこのスタイルだったのでしょうか?
昭和40年代のアニメは主題歌に力を入れていました。
「サザエさん」「怪物くん」の主題歌をヒットメーカー筒美京平氏が
手掛けていたり、すぎやまこういち氏、平尾昌晃氏など
ヒットメーカーがアニメ主題歌をつくるのは常識でした。
しかし、アニメ主題歌はレコードを売ることが目的ではなく
アニメ作品を流行させるための手段でした。
そんな中ヒットアニメにあやかってヒットを目論む曲が登場します。
昭和53年沢田研二「ヤマトより愛をこめて」です。
沢田研二は前年レコード大賞を受賞、当時レコード大賞受賞者は
翌年から売れなくなるというジンクスがあり、その呪縛をといて
2年連続レコード大賞を狙ったのがこの曲です。
そしてその翌年、音楽を重視したテレビアニメが登場します。
「超時空要塞マクロス」です。
このアニメは登場人物のアイドル歌手「リン・ミンメイ」に数々の歌を
歌わせるところが今までのアニメにない作品でした。
今でいうバーチャアイドルアニメです。
ただ、あくまでアニメの中の話だったのですが
このテレビアニメのヒットを受けてつくられた劇場アニメ
「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」の主題歌でミンメイが
劇中で歌う「愛・おぼえていますか」がオリコン7位に入ります。
この映画の前年はテレビアニメ「キャッツアイ」の主題歌
杏理の歌う「CAT'S EYE」もオリコン1位になっており、
アニメの曲もヒットするということが音楽業界に確立されていきます。
この流れから長いスパンのアニメの主題歌は3ヶ月、6ヶ月ごとに
更新することが常識となります。
マクロスで用いられた、登場人物がアニメの作品中で歌うパターンも
「メガゾーン23」「マクロス7」と引き継がれ、
やがてはキャラクターソングという分野を確立していきます。
また、「風の谷のナウシカ」のように劇中に取り入れずに
あえて広告塔として音楽を取り入れる手法も確立されます。