2016年11月29日火曜日

4者協議から見える、小池都知事のしたたかさ

「韓国の朴大統領が任期前の辞任を表明」
「給付抑制の年金法案が衆議院を通過」
「南米でブラジルサッカー選手が搭乗するチャーター機墜落」
今日もいろいろなニュースが飛び交いましたが
私が選んだ今日のベストニュースは
「東京オリンピック・パラリンピックの4者協議」です。

私がこのニュースを選んだのは、新しく「有明アリーナ」を
つくるのか、既存の「横浜アリーナ」を使うのかという
バレーボール会場の問題のやりとりです。
「あとしばらく時間を頂戴したい」として、結論の先送りを求めた
小池知事に対して森会長は
「私の知りうる情報では横浜は迷惑していると聞いている。
それは野球競技を行うことが内定していて、これで手一杯なんです」
「我々が他の都市にお願いするときは、
国内、国際競技連盟、各自治体と合意を取り付けてから、
IOCに相談した。あと1カ月で横浜から合意を取れますか」
と立て続けに噛みつきます。
私が知事ならブチ切れて
「有明アリーナは作らないことを前提にこれから精査します」
と言うところですが、小池知事は笑顔で
「ありがとうございます。横浜市には賛同してもらっている」
とさらりと流します。
これに腹を立てたのが森会長で、さらに
「くどいようですが、横浜は受け入れてくれるんですね?」
と「こどものけんか」みたいな態度になっても
「期待しています」と切り捨てました。

有明がいいのか横浜がいいのかは別にして、
今回の会議がすべて公開されたところがよかったです。
当初会議は一部公開の予定のところ小池知事が会議を
全部公開してほしいという要望をだしていたようです。
ボート会場と水泳会場は当初の予定通りで
バレーボール会場は先延ばししたいと小池知事が
結果から切り込んだため、さすがの森会長も会議を
公開のまま止められなくなってしまったようで、このやりとりは
非公開としたかったのでしょうがこの事態となりました。
企みが成功し、小池株が上がり、森株大暴落という結果に
なったのです。

決まっていたものがひっくり返るのは、アメリカ大統領がかわり
TPPが白紙になる見込みのように今の流行です。
日本がこういう態度をしていると国際社会からの信頼を失うと
いう人もいるようですが、こういう態度を見せることが国際社会に
対して意味のあることかもしれません。