まさか当選しないだろうと予想していたトランプ氏が大統領選を
制して「トランプショック」に揺れ動く日本ですが、当選後の会見
以降、それまでの強硬姿勢を崩している姿を見て、不安から
期待へと変化しているようです。
アメリカ市場の好調を受け日本市場も10日木曜日に反発して
為替も円安に転じました。
安倍総理とトランプ氏が17日木曜日会談することも決まって
不安から安心モードへと転じているようです。
しかし本当に安心なのでしょうか?
確かに当選後イスラム教徒入国禁止に対し口を閉ざしました。
オバマ大統領が成立させた医療保険制度のオバマケアを、
廃止ではなく、内容の修正をする方向にはいっています。
しかし、海外に対する姿勢は柔軟になったり解釈を変えても
基本的には変わらないと思います。
小池都知事が「東京ファースト」を基本とするように、トランプ氏は
「アメリカファースト」を基本とする点はぶれないのです。
これは彼がビジネスマンだからです。
やり方を変えても、達成する目標は変わらないのです。
彼が優秀なビジネスマンであることは、当選後の行動力からも
わかります。当選3日で現職大統領と会談、9日後には日本の
総理大臣と会談、これらはいずれも異例の早さです。
今、アメリカでは反トランプ運動の大規模なデモがおこっています。
「トランプは私の大統領ではない」などと訴える群衆に対し
「デモの参加者が私たちの偉大な国への情熱を持っているのは、
すばらしい」と融和を求め態度を軟化させています。
このままトランプ氏は丸くなってしまうのでしょうか?
あれだけのことを言った選挙運動中の発言をことごとく
裏切るとどうなるかはトランプ氏でなくとも想像ができます。
たとえば「メキシコ負担でメキシコ国境に壁を作る」という発言は
物理的な壁をメキシコがつくるのではなく、メキシコからの
違法入国を厳しくした「見えない壁」を気づき、メキシコからの
貿易収支を黒字にしてもアメリカ国民からすれば同義です。
つまり今アメリカの好景気から取り残されている大多数を豊かに
すればいいのです。
この考えだとTPPは参加しないか、一度決定したものを再度交渉の
テーブルを用意するはずです。
沖縄から基地撤退はありませんが、我が国に負担増を求めてきます。
また気を付けないといけないのは、彼のスピードです。
トヨタの重要案件がエレベーターの中で決まった様に、瞬く間に
方向転換ということもありえます。為替や株式投資をする場合
今後はより一層の警戒が必用です。
トランプ次期大統領について日本の多くの人が抱く幻想を早く
振り払うことです。
そして我が国の政府も俊敏なトランプ氏へ交渉、提案が即時に
できるような人材や体制を今からでも再構築すべきです。