2016年5月25日水曜日

日本ハムファイターズ新球場構想の背景

プロ野球の日本ハムファイターズが新球場を建設する
検討に入ったことが5月24日明らかになりました。
新球場は収容人数3万人規模で天然芝のドーム球場を
想定しており、建設場所は現在検討中です。

日本ハムファイターズが現在使用している札幌ドームは
札幌市が所有し、市などが出資する第3セクターが
運営しています。
使用料は1日800万円で入場者が2万人を超えると
1人当たり400円、満員の場合約1600万円となり
年間約15億円を球場側へ支払っています。

札幌ドームという国内屈指の優れた施設を使用しながら
なぜ新球場を建設する検討にはいったのでしょうか?

昭和の時代のプロ野球はセリーグは「巨人」という人気
球団に他球団がぶら下がる格好で、巨人戦の放映権料
や入場収入で潤えたのに対し、パリーグは赤字経営
が続いていました。
赤字でも経営が成り立ったのは、親会社が赤字を
補填していたからです。首都圏以外のパリーグの球団が
阪急、南海、近鉄、西鉄とすべて鉄道会社であったのは
このへんも理由のひとつです。
しかし、近年は球団単体での黒字経営が求められ
ています。
球団の収入源は入場収入、放映権料などがありますが、
自前の球場だと球場内でのグッズや飲食の販売も
自由に企画運営ができ、より多くの収入を得られます。
もちろん、自前ですから球場使用料も不要です。
近年、収入を増やすため、オリックス、ソフトバンクなど
拠点球場を買収して売上を増やす球団が増えています。

しかし、売上げを上げるためとはいい、日本ハムは
新球場を「天然芝のドーム球場」と言っています。
この実現にはかなりの費用が必用で、売上げが
上がっても回収が難しいはずです。
つまり実際に検討をしているのかもしれませんが、
現在の札幌ドームの使用料を下げてもらい、運用も
自由にさせてほしいというアピールだと思います。

総事業費約537億円という巨額な費用が投じられた
球場です。日本ハムが使用しなくなるとなると札幌市も
大変なことになります。
「使用料金を安くするなどの議論はしない」としながらも
札幌市は近く球団側と協議の場を設ける方針と聞きますが
真剣に考えないと、とんでもない負債を背負うはめに
なりかねません。

理想は楽天ゴールデンイーグルスと宮城県仙台市の
ような良好な関係の構築だと思います。