2016年5月21日土曜日

大阪オリンピック構想

大阪オリンピック構想という言葉をご存知でしょうか?
2008年夏季オリンピックの開催を大阪で目指していた構想で
開催は北京に決定したため、開催は実現されませんでした。
wikiによると「環境破壊および会場アクセスなどの諸問題」
とあります。

「環境破壊」とありますが、六甲山系を削って無理に埋立て
造成した神戸と比べて、大阪の埋め立て地は堆積物でもともと
浅瀬を埋め立てており、自然を利用した埋立です。
「会場アクセス」については、道路などを整備する前に
候補地に手を挙げた為で、計画ミスと言えます。
つまり、構想を練って計画することを雑に急いだための
失敗です。計画していた時期に中国が立候補して開催される
であろう情報もあったのですが、スルーしていた点も重要です。

そして、今日なぜこの件で呟いているのかと言いますと
「伊勢志摩サミット」が近づいているからです。
「伊勢志摩サミット」は大阪オリンピック構想の舞台である
埋立地とは違い、自然の美しい地域ではありますが、
構造はよく似ています。
「諸問題」のひとつに警備上の問題がありました。
「会場アクセスが悪い」ということは、少ないアクセス部分を
破壊されたりすると、運営できなくなると批判もありました。
しかし、今回の「伊勢志摩サミット」は会場である賢島に架かる
橋と鉄道を封鎖して、警備を集中でき、逆に安全だと
言っています。
要は、当時の大阪市はバブル崩壊後の不況を早く脱出したいが
ために、この構想を焦り過ぎた為、どうプレゼンし、批判や
疑念に対してのシュミレーションができていなかったのです。
海上五輪は警備上問題があると言われながら
伊勢志摩サミットがおこなわれているのが、よい証拠です。

少し遅れてでも、オリンピック招致に成功していれば、
地下鉄中央線のコスモスクエア駅から先の海底トンネルが
完成しておりながら、開通の目途が立たないという事態も
ありませんでした。
橋下知事時代の大阪都構想もこれらの大阪市の埋め立て地は
昔の市政の汚点の象徴として、活用していく気はなく
今後もしばらくは荒地として放置されそうです。