奈良県生駒市の住宅地に隣接した谷の斜面
(高さ約15メートル)で約6年前、
奈良市内の業者が県砂防条例に違反して
無許可で盛り土による土地の造成を行い、
県の指導を受けた後、行方をくらましている
ことがわかりました。
盛り土には亀裂ができ、崩落の危険が指摘
されていますが、県は調査をしないまま放置し
業者の条例違反は時効を過ぎて告発もできなく
なる状態になっています。
2010年住民からの通報で無許可の工事を
確認した奈良県は、業者に対し是正するよう文書で
指導し、業者は補強工事後連絡が取れなく
なります。
無許可工事による亀裂が広がった2014年、
住民は再び奈良県に相談、県は現場に出向いたものの
何も対処せず、奈良市が危険個所にブルーシートを
被せただけで、立ち入り禁止の看板も立てないどころか
亀裂の測定すらしていません。
今回は三重県の土砂採取会社によって大量の土砂が
無許可掘削された4月の事件とは正反対で土砂を
無許可で盛土したことによる問題ではあります。
しかし、奈良県がいい加減だからこうなるのです。
「条例や行政監視が甘かった」と県の対応に問題が
あったと認めたうえで、「私の責任ではない」と
自分は関係ないことを強調していた荒井正吾知事
ですが、産業廃棄物の違法投棄の多い奈良県の
長として、覚悟をもって臨む姿勢を見せなければ
部下たる職員も弛み、業者のやりたい放題も
しばらくは続きそうです。