伊勢志摩サミットよりもアメリカのオバマ大統領の
広島訪問でにぎわうニュースの中、今回とりあげるのは
阪神タイガース岩貞投手の初完投初完封勝利です。
阪神はこれまで先発、中継ぎ、抑え投手が安定して
失点の少ないチームでしたが、最近は藤浪投手以外の
若い投手の台頭がなく、高齢化していました。
今年はその問題が一気に表面化し、先発投手は
数が揃ってきたものの、中継ぎ抑え投手は崩壊の危機に
きていました。
そして昨夜、今年になって先発ローテーションの一角を
担う岩貞投手がプロ初完投勝利を今季チーム初の完封で
飾りました。
岩貞投手は入団3年目の24歳の投手です。
今年になり好投を続け、現在防御率セリーグ2位という
すばらしい成績ですが、終盤になるとバテることが多く
好投しても7回くらいで交代され、後に投げる投手が
打たれて勝利投手になれないというパターンが
続いていました。
昨日も8回で118球を投げて9回に打順がまわってきて
誰もが代打を送られて交代するものと思っていました。
「9番、ピッチャー岩貞」
このアナウンスだけで東京ドームに大歓声が上がり
異様な盛り上がりを見せます。
不甲斐ない抑え投手に託すよりも、ここまで頑張ってきた
岩貞投手に最後まで投げてもらいたい、その結果逆転負け
しても納得するという監督、コーチ、ファンが一体となった
場面でした。
結果、9回を抑えた岩貞投手は初完投完封勝利と
なるわけですが、流石に9回は外野にいい当たりを
打たれました。しかし結果オーライでもアウトを重ねられた
というのは、岩貞投手に力があったからだと思います。
高校野球でもプロ野球でも、私が描く「エースの条件」とは
「味方のチームが5点取ってくれたら4点以内に抑える、
1点しか取ってくれないなら1点も与えない」投手です。
「初回に1点を取ってもらったので“この1点を守れば勝てる”
と自分に言い聞かせて投げた」
こう考えてそのとおり結果を残せた岩貞投手は
藤浪投手、能見投手など先発の好投手が揃う阪神の中で
明らかにエースと呼べる存在です。