昨夜NHKのスポーツ番組で久しぶりに
元気そうな星野仙一氏をみました。
(以降敬称を略させていただきます)
阪神ファンの私は2002年からの2年間の
星野監督の指導が未だに影響していると思い
尊敬する人物のひとりです。
巨人対ヤクルトでのヤクルトの投手起用について
「監督がだめかなぁと不安な気持ちで送り出した
のを送り出された投手も感じて負の連鎖が
生じて四球を連発させましたね」と言う趣旨の
発言をしていました。
ヤクルトの監督に対して失礼な発言なので
普通の解説者が絶対口にしないようなことを
スバリと言うのは流石の「星野節」です。
実際、昨日阪神広島戦において1回裏
無死2塁のチャンスに不振の2番打者
大和選手が送りバントを失敗しチャンスを
逃す場面がありました。
これも阪神和田監督が大和選手を
信頼せずに起用した現れかと思います。
ある新聞記事に阪神星野監督が
当時阪神の1番打者赤星選手に対して
の指導についてのエピソードが書かれて
いました。
赤星選手が盗塁をする機会があったのに
走らなかったことに対し、その回の攻撃が
終わり、残塁した赤星選手がベンチに帰ると
「こら、赤星。なんで走らんのじゃ!」と
大声で怒鳴ったそうです。
次の試合、赤星選手が全力疾走していたため
通常なら三塁ストップする状況をホームイン
しました。試合は金本選手の本塁打で勝ち、
試合後星野監督が記者に囲まれ
「金本選手のホームラン、よかったですね」
と記者から言われると
「お前ら何を見てたんじゃ、今日の試合は
赤星が全力疾走で得点したところが
ポイントだろうが!赤星は最高やったね」
と記者に一喝し、赤星をほめました。
記者たちはそれを記事にして、
金本選手の見出しの横に「赤星好走塁」
という文字が並びます。
つまり、選手を叱るのは、叱る理由の
直後に直接叱り、選手を褒める時は
マスコミを通じてコメントするのが
星野監督のスタイルというのです。
星野監督が怒鳴ることにより
怒られた本人だけでなくチーム全体が
「こうしては、いけないんだ。」と思い
翌朝のスポーツ紙を見て
「監督はこういう姿勢を重要視してるんだ」
と認識し、「星野流」は浸透します。
星野といえば熱血、激怒、その影響で
高血圧というイメージですが
怒るのには意味があるのです。
昨日の阪神対広島の試合に戻ります。
結果は鳥谷選手の逆転本塁打で
4対3で阪神が勝ちます。
もちろん殊勲者は鳥谷選手ですが
私は2回裏、藤井選手がレフトフライで
2塁へタッチアップした走塁が大きかった
と思います。そのあとの西岡選手の打球が
3塁ベースに当たる幸運も、あの走塁
がないと点にはならず、結果的に
その1点が差になって勝ったのです。
もちろん和田監督の試合後の発言は
それには触れず、大局についてのみです。
部下を信頼する、信頼できるよう
部下の指導を的確におこなう。
これはプロ野球の監督だけに限らず
社会全体において管理者に
求められることです。
叱られた部下が何故叱られたか
理解できないような指導では
絶対に進化はありません。
また「叱る」「褒める」を同様に
行う管理者は部下から信頼されません。
手段に個性はあっても
適格に叱り、適格に褒める
これがチームを強くするのです。