シャープは台湾の鴻海精密工業に再建支援で優先交渉権
を与える方針を決めました。
非常にショックなニュースです。
シャープは3年前にも大型液晶部門で鴻海精密工業
を頼って大変なことになった経緯があります。
最初はおいしい話で誘い、またはじまったらトラブること
が予測できないアホ企業なのでしょうか?
本音を言うとシャープの経営陣がアホかどうかはどうでも
よいのですが、シャープ技術陣は日本のものづくりの
象徴ともいえる有能な技術者たちです。彼らがつくった
技術を台湾に吸い取られることだけは、避けなければ
なりません。
具体的に一番危惧するのは、スマホ画面に採用されている
「IGZO」の海外流出です。これは消費電力を抑えて
バッテリーの使用時間を延ばす技術です。
現在もバッテリーは携帯電話からEV自動車にいたるまで
1990年代ビデオカメラなどに搭載された「リチウムイオン
バッテリー」が採用されています。
液体燃料などの代替携帯エネルギーの研究もしている
ようですが、リチウムイオンに代わる、小型で安全で実用的
なものが4半世紀たっても登場していないのが事実です。
そこで、バッテリーの性能を上げるのではなく、部品の
消費電力を抑えられないかということになり、開発されたのが
新しい携帯向けディスプレー「IGZO」です。
そもそもリチウムイオンバッテリーに関して多くの特許を
保有する三洋電機もなくなりました。その家電部門は
中国メーカーに売却されたものの、電池関連は
パナソニックが引き継いでいます。
シャープは目先の利益のために今回の選択をしたので
しょうが、この先を思うと残念としか言いようがありません。