TPP交渉大詰めと言われながら、なかなか
最終合意に至りません。
しかしこれは日本が交渉する力を身に着けて
きた証しだと思います。
事実、合意した韓国は現在かなりの損害を
うけているようですし・・・。
ビジネスでアメリカ人と交渉した経験が私にも
あります。
ポイントはカッコつけないことです。
まず私は英語が話せません。部分部分は理解
できるので、表情と単語で言わんとすることは
だいたいわかることが多いのですが、必ず
日本人の通訳に入ってもらいます。
仮にある程度英会話ができても、入ってもらう
べきです。過去の総理大臣で英語が得意なので
通訳を介さなかったため痛い目を見たことがあり
これを踏まえて安倍総理は必ず通訳を介して
会談をしています。
アメリカから来日した交渉人と何度か契約交渉
をしました。彼らは限られた日程の中で、
私以外にも多数の交渉をせねばなりません。
午前中アポイントをとり、午後相手が他の人と
交渉をするからと言って、相手のペース
妥協することは絶対禁止です。
よく日本人は微笑むだけではっきりしないとか
YES-NOが言えないと批判していますが、
気にしないでください。彼らがそういうのは
自分の思い通りに事が運べない苛立ちから
きているので、無視してください。
しかし最終的には返事をしなければなりません。
これもその場でしなくてもいいのです。
「帰国までにメールします」でもいいので、
納得するまではYES-NOを言ってはいけません。
アメリカ人はフレンドリーですが、あくまで
取り決めのうえでのことです。契約というのは
彼らとの関係を築く礎ですから、相手を気遣う
日本人のやさしさは、この場面だけは封印
することが重要です。また、こちらが返事を
安易にできない事情を説明するとか、努力
する姿勢を見せれば、彼らもいい返事を
してもらえないからと言って切れることは
ありません。
いつも私は契約交渉前の準備として
合意できないであろう点を想定して
なぜこちらが安易に合意できないかの
言い訳となるデータや代替案を用意して
いました。
こちらの主張をする一方で、相手側の主張も
理解していることを知らせる狙いもあります。
以上が私の意見ですが、はじめて外国人と
交渉する方でどうしても自信のない方は
通訳以外にひとりアシスタントをつけたら
いかがでしょう?関係者でなくても結構です。
味方がひとりついていると思えば少しでも
心に余裕が生まれるのではないでしょうか?