国は電気を利用するすべての人が納める「電源開発促進税」を
財源にして、原発などを受け入れた自治体に交付金などを出す
立地対策を行っています。原発事故のあと、除染で出た廃棄物
の中間貯蔵施設の整備費が必要になるなどした結果、支出の
規模が税収よりも多い年間1700億円以上に膨らんでいます。
40年以上前から原発が立地し多額の交付金を受けてきた
福井県敦賀市は原発再稼働が不透明になり交付金をあてに
できなくなり、本格的な支出の削減に乗り出しています。温泉や
健康設備を備えた福祉施設についても今秋にも廃止する方針です。
このNHKニュースの映像で敦賀市の福祉施設内部で将棋を
さす老人の姿が映し出され、敦賀市との協議で「老人の憩いの
場所を奪うのか!」と怒りの声をあげているのですが、これを
見た普通の将棋好きの老人はどう思うでしょうか?
夏の暑い日は木陰で、冬の寒い日は防寒着を着て、
屋外の公園で将棋をさす人と比べれば敦賀市の老人は
単なるわがままをいっているのに過ぎません。
しかし、わがままを言わせたのは敦賀市ではないでしょうか?
地方自治体は敦賀市に限らずどこでも、お金が余ってくると
建築物を建てたくなる傾向があります。
○○交流館とか○○町センターのような名称で、いったい
何なのかよくわからない所謂「ハコモノ」をつくります。
パンフレットもつくり観光名所を目指すも、わざわざ立ち寄って
みる魅力もなく、地元住民も一部常連のみが利用するだけの
このような施設はバブルのころによくありました。
そもそも国が借金をしているのに「お金が余る」という表現も
おかしいのですが、交付金をうけて誰もが平等に暮らしやすい
ところにお金をまわし、交付金がないとすぐストップできる
ようにすべきだったと思います。
いずれにしろ、この問題は敦賀市の問題ではなく、全国の
自治体の問題です。