「いつから、ヒット曲がなくなったのか」
において、発表の場は増えたが
ヒット曲を生み出す場がないと述べました。
今日は少しその補足をします。
時代の流れで激変したことがひとつあります。
ハードの普及によって、ソフトを生み出す
クリエーターも進化を余儀なくされたことです。
ミュージシャングループは
ボーカル、ギター、ドラムス、ベース、キーボード
というバンド構成が20世紀のスタイルでした。
キーボードが進化し、
パソコン音源が高音質になり
20世紀の終わりには、
ひとりですべてのパートを作る
ミュージシャンも稀ではなくなりました。
21世紀にはいると、その技術が安価になり
誰もが使えるようになります。
「失われた20年」と言われた20年で
急速に創作ツールは発展と低コストを
成し遂げたのです。
どのくらい急速かといいますと・・・
1997年高度な編集のためパソコンを購入しました。
当時、映像を編集するには別のHDDが必用で
専門店で見積を30万で取ったので
翌週30万持って行くと20万になりました
と言われるくらいのスピードです。
で、5年ほど前にメジャーになった
あるミュージシャングループは
コンポーザー一人、あとはイラストレーター、
ボーカルはゲストとして存在しません。
スタイルもなんでもありの時代です。
そして、発表の場としてインターネットは
1990年代は写真アップもハードだった時代
この10年で動画のアップも自在になります。
たとえば音楽ビデオをネットに流すには
著作権上、自分で音楽を作る必要があるように
ゲームを作る人も、独自に音楽を作ります。
音楽を作ることは、特別なことではないのです。
そういう意味では「初音ミク」は、その象徴と言えます。
マルチメディアという言葉があります。
それはハードだけを言うのではなく
作り手たるソフトも指しているのです。
ミュージシャンと呼ばれなくても
ミュージシャンである人は増えています。
ただクリエーターのマルチメディア化と
いい作品は簡単に結びつきません。
新作を必用とする一定のマーケットがある
漫画、アニメ、ゲームと比べ
みんなに愛されるヒット曲を生み出すことは
簡単なことではありません。
逆にいうと、今ヒットしている曲は
「新作を必用とする一定のマーケットがある
漫画、アニメ、ゲーム」みたいなものなのです。
犯罪めいた動画投稿まで飛び出すほど
「俺が、俺が。」の世界がナウなネットの世界
かもしれませんが、ここらへんで
みんなで宝物を探すような段階にはいっても
いいのではないでしょうか?
繰り返しになりますが、ヒット曲を生み出す場所を
どうして構築するかが、今後の課題です。