2015年1月21日水曜日

日本アニメの素

みなさんは「大好きな作品の定義」
って何でしょうか?
私は見終わった後に、早く来週が見たいと
欲求を抱かせる作品というのが第一条件です。

そのためには「ある条件」が
必須になると思います。
それは原作がテレビ放映時点で
発表されていないことです。

「宇宙戦艦ヤマト」
「機動戦士ガンダム」
「新世紀エヴァンゲリオン」
「魔法少女まどか☆マギカ」
これらのメガヒット作品はいずれも、
アニメのためにストーリーが練られた作品です。
現在テレビ放映中の「アルドノア・ゼロ」
劇場公開中の「サイコパス」はいずれも
「魔法少女まどか☆マギカ」を手掛けた
「虚淵 玄(うろぶち げん)」氏が原案した
作品で、まさに時の人です。

オリジナルの良い点は、
はじめから、テレビ番組として作ることを
前提としているため、全体の構成も
しっかりしていることです。
「魔法少女まどか☆マギカ」が3話を1篇とした
4篇12話でまとめられていることが有名です。
1年スパンの作品では全39話と少し短いですが
「川崎ヒロユキ」氏の「機動新世紀ガンダムX」を
私は推します。戦後の荒野に生きるひとりの少年が
女の子と出会い、仲間を得て、旅をするステージが
団体規模から、国家規模、宇宙規模と上がる感覚は
いっきに見る映画では得られないものがあります。

これに対して、漫画の原作はどうでしょう。
まず確実なメリットは、始まる前から視聴者が
存在することです。
そして、テレビ放映により、新しい顧客を獲得する
チャンスにも繋がります。

良い例が尾田栄一郎氏の「ONE PIECE」です。
連載から18年で単行本累計3億部以上
海外のみの単行本も累計5000万部を超え
数字上は村上春樹氏を超える、日本で一番売れている
作家です。
ONE PIECE」はもともと1990年代半ば
売上減少に陥った「週刊少年ジャンプ」を復活させた
作品のひとつでしたが、1999年のアニメ化により
人気に火がつき、10代中心の人気作品が
長年アニメを放映することから、20代へと広がり
人気となると30代以上の世代も無視できなくなります。

デメリットは原作を読んでる人は既に
ストーリーがわかっていることですが、
アニメの方が、漫画よりペースが速いことが
最大の難点です。
これを切り抜けるには、原作にはない
サイドストーリーを挟むか中断するかの
どちらかを選択しないといけません。
前者を選択した場合、
たいてい話はつまらなくなります。
後者を選択した場合は
作品価値を下げてしまうことがあります。

私の知っている中で、もっともすごかったのは
「テニスの王子様」です。
時間稼ぎをしてもどうしようもなく、
最終回で、連載前の話をアニメ化したのです。

また、結局途中で終わったのですが
「ドガベン」というアニメは主人公の山田太郎が
ベンチからバッターボックスに入るまで
ワンテーク終わる焦らしようは有名でした。

ONE PIECE」すら枠移動を余儀なくされ
ゴールデンタイムのアニメが消えた今
今後、アニメ化により幅広い人に
アニメが浸透していけるかは不透明です。

しかし、この状況下でも、
市場は新しいコンテンツを求めています。
日本アニメのレベルを下げないためにも
テレビや関係企業はひとつひとつの作品を
大切に取り扱っていただきたいと思います。