「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」
日本全国に新幹線や高速道路を延伸しようと
自民党総裁となる田中角栄氏が
「日本列島改造論」を打ち出した翌年
1973年に流行した交通標語です。
戦後から復興し、敗戦をバネに高度成長を
遂げた日本でしたが、大阪万博閉会後に
景気の曲がり角が訪れます。
「日本列島改造論」はこの停滞した経済を
再び上昇させることが主眼だったといえます。
オイルショックやロッキード事件で
田中角栄氏は失脚しますが
「日本列島改造論」の魂は
今に受け継がれます。
しかし実際に交通の便がよくなると
地方が便利になるのではなく
都市が地方の良さや人材を吸い上げる
「ストロー現象」が起こり、
地方は衰退してゆきます。
もともと国土が狭小な日本です。
山形、秋田のように在来路線を活用する
新幹線はいいアイデアと思いますが
福井県や長崎県までに新規に新幹線を
建設する必要があるのでしょうか?
新幹線が完成すると地元在来線は
基本廃線の扱いになります。
地元の交通が不便になるだけでなく
「トワイライトエキスプレス」「北斗星」と
いった内需拡大に繋がる観光の糸も
自ら絶とうとしています。
そんな政治にもの申したい。
「せまい日本そんなに急いでどこへ行く」