2014年12月21日日曜日

今年のベストソング、作曲者は74歳。

オリコンから2014年の年間ランキングが発表されました。
上位はほぼアイドル人気グループで埋め尽くされています。
私個人は「ヒット曲ランキングは2007年頃に
事実上消滅したもの」と思っています。

だからといってAKB48を批判しているのではありません。
AKB48はグループとしてはかなり苦労して花開いたからです。
「握手券をCDにつけ、ひとりに複数枚買わせるから売れて当然。」
と言われていますが、最初の頃はベスト10に入るのがやっとでした。
しかしすぐに結果がでなくても、地に足をつけ継続をします。
2009年上半期時点ではアニメ「けいおん!」のエンディングテーマ
「Don’t say ”lazy”」に届かなかった売上が、その年の暮れ
「RIVER」で初の初動10万枚超えと1位を獲得して紅白歌合戦初出場、
翌年「桜の栞」で初動30万超え、次の17枚目のシングル
「ポニーテールとシュシュ」で、人気を不動のものとします。
女性アイドルでデビューから4年でブレイクは決して早くはありません。

前置きが長くなりましたが、今回は私のベストソングを発表します。
2008年、嵐が年間ベスト3を独占した頃から、オリコンの上位曲と
私が「良い」と思う曲が一致しなくなってきました。
もちろんそれまでも、好みの問題ですから、完全一致はないものの
みんなに愛される曲がヒットするのが当然と思っていました。
1977年9月頃から約1年間、「ピンクレディー」が1位を占めた時期も
ありましたが、長くは続きませんでした。今回は終わりのないトンネルです。

アニメ好きな私は2007年頃からアニメソングのほうが
むしろポップに聞こえてきて、独自にベストソングを決めています。
今年のベストソングは
10月15日リリース竹達彩奈の「齧りかけの林檎」です。

いいと思う曲を買うつもりで
動画サイトのアニメソング特集を見ていました。
大阪で放映されていないアニメの曲ではありましたが、
「齧りかけの林檎」のサビが気に入ってネットで購入しました。
届いたCDの歌詞カードを見て驚きました。
久々に聞く作曲者だったからです。
カバーソングだったのかと少しがっかりしましたが
ネットで調べるとどうやら書下ろしのようでした。
しかも生年月日から言って74歳、そりゃ久々のはずです。

主な代表曲は
「ブルー・ライト・ヨコハマ」 いしだあゆみ
「また逢う日まで」 尾崎紀世彦
「ロマンス」 岩崎宏美
「木綿のハンカチーフ」 太田裕美
「魅せられて」 ジュディ・オング
「スニーカーぶる~す」 近藤真彦
・・・そうです。筒美京平氏なのです。

関連動画を見て初めて知ったのですが、
アニメの曲も古くから携わっていて
「サザエさん」「怪物くん」ロボットアニメでは
「重戦機エルガイム」も手掛けています。

今年の夏に香川県の野外音楽広場「テアトロン」に
小田和正氏のコンサートを見に行きました。
私が生涯で一番お気に入りのミュージシャンです。
小田さんの話は後日改めていたしますが、
会場内を歌いながら走り回る小田さんを見て
「すごく元気な66歳(当時)だなぁ。」と思いました。
今年のオリコン年間23位のアルバム「小田日和」は
往年の勢いこそないものの、「愛になる」など、まだまだ
すばらしい曲であふれています。

しかし、上には上がいるものです。
一般にアーチストは年齢を重ねるごとに作品が
創れなくなると聞きます。
古くは自殺した芥川龍之介、最近ではそれが原因で逮捕に至った
「チャゲ&アスカ」のアスカなどが、有名です。
この件については「アイデアが枯渇する」場合と
「よりよいものを作ろうと考えすぎる」場合があり
40代以降第一線で活躍すること自体難しい「芸術活動」を
70歳を越えてしているだけでも尊敬します。

「齧りかけの林檎」を買ったのは、先にも述べたとおり
サビの「あまくて切ない わたしのココロ
齧って逃げた子 だーれだ」の「だーれだ」で
「すばらしい落とし方、いまどきこんなメロディを創れるのは
桑田佳祐氏くらいかな。」と感動したためですが
桑田氏にも影響を与えた筒美氏なら納得です。

もちろん詩もアレンジもアーチストも含めての
今年のベストソングなのですが、
改めて筒美京平氏のセンスに感動しました。


ありがとうございます。