というコラムを今朝新聞で読みました。
先日私が呟いた中で、「アマゾンも自分で配達すればいいのに」
と言う意見が正論だと述べました。
しかし、これは言うほど簡単なことではありません。
今回のヤマト運輸の決定は、一見、アマゾンにとっての打撃かもしれませんが、
実は、中期的にアマゾンのシェアを上げることになるのです。
また、彼らは全身全霊でヤマト運輸ゼロでも対応できるように準備しますから、
さらにアマゾンが独自のロジスティクスを持つことになり、競合への競争力は
一段、いや数段上がることになります。
このコラムではこのように述べています。
しかし全国一律で当日配達を実現するには、現在の配送体制では
とても間に合いません。
仮に配送センターを全国に網羅してハードの体制を確保しても
結局はヤマト運輸や日本郵政のようにドライバーも確保して
いかなければなりません。ヤマト運輸や日本郵政のような
地域に密着したドライバーは配達地域の住所を見ただけで
配達先の会社や家庭が何時なら荷物を受け取ってもらいやすい
といった情報を把握しており、一朝一夕で戦力とはなりません。
仮に既存のドライバーを引き抜くならば、勤務時間と給与を
好待遇にしなければならず、予想以上のコストがかかります。
私は先日そこも含めて、アマゾンは自社配達を検討すべきと
述べました。
恐らくコスト面を考えると、最終的には首都圏と地方都市圏
以外のエリアでの「緊急配達」は実現できないでしょう。
なおかつ、都市圏以外は多くのウェイトで既存宅配便に
委託していく必要があります。
しかしこのコラムを読むと簡単に配達システムが構築できると
甘く見込んでおり、アマゾンもそう考えているのであれば
しばらくアマゾンの巨大化はないものと思われます。
最後にひとつ補足しておきます。
アマゾンが自社宅配網を構築する際、ドライバーの確保が
難しいとなった時点で地域中小企業の運送会社に委託する
可能性があります。その場合はヤマト運輸以上に過酷な
条件を提示するはずで、その結果、必ず「事件」がおこります。
新しい問題がでる前に、アマゾンに対する国の監視態勢が
問われることでしょう。