ロイター通信は日本時間二十七日午前、米海軍が南沙諸島
にある中国造成の人工島から十二カイリ(約二十二キロ)
以内の海域に、イージス駆逐艦「ラッセン」を派遣したと
報じました。
ロイターによると、米国防当局者はAP通信に、駆逐艦は
スービ礁周辺での哨戒活動を完了したと述べたそうです。
スービ礁は満潮になると陸地が海面より低くなる「暗礁」
で、埋め立てて海面より高くしても、国際法上領土とは
認められないのです。
これを領土と主張する中国に対し、これまで沈黙していた
アメリカ合衆国が軍艦を航行させることにより、公海で
あることを中国を含む全世界に確認をしたことになります。
もちろん中国は反発をしますが、11月にフィリピンで
開かれるAPECで、議論に持ち込むのが狙いです。
尖閣諸島とは違い南沙諸島は東南アジアの問題で日本に
関係ないと思う人がいれば、それはおめでたい人です。
まず、中国の思惑どおり南沙諸島が中国の領土になって
しまうと、中東からの原油輸送ルートがストップします。
原発反対派により火力発電のウェイトが上昇しているため
電力料金が暴騰、これまで慎重であった原発再稼働も
審査が緩くなる可能性もあります。
しかし、原発反対派の人たちはそこまで頭がよい人が
ほとんどいないため、南沙諸島問題から安保法制で日本が
戦争をするという妄想をする人はいても、南沙諸島埋立の
反対運動までする人はいません。
ウクライナでロシアのミサイルがマレーシア航空の旅客機を
撃墜した事を覚えていますでしょうか?
日本からシンガポールなど東南アジアへ向かう旅客機は
この南沙諸島上空を通過します。
南沙諸島の中国軍基地が稼働すると、何らかの間違いで
日本航空や全日空機が撃墜されても不思議ではありません。
マレーシア航空ならその確率はさらに高まります。
政府は中国、韓国との首脳会談を前に、気を遣っているかも
しれませんが、国民はもっと関心を持つべき問題だと
私は思います。