2017年1月14日土曜日

意欲と義務感

先日NHKのニュース番組で大西宇宙飛行士と
漫画「宇宙兄弟」の作者小山宙也氏の対談をしていました。
大西氏は「宇宙飛行士というと外での活動などの派手な
仕事ばかりとりあげられるが、マンガで描かれていたように
宇宙船内での科学実験などで大半の時間がさかれている。
「宇宙兄弟」はそういうところをよくぞ描いてくれている」と
絶賛していました。
それに対し小山氏は
「どんなことをこれから描いてほしいですか?」
と聞き返したところ
「我々の仕事はおもしろくないものばかりですから」
と大西氏が言うと
「どんなことでも面白く書きますよ」
と小山氏は身を乗り出しました。
これが作品を創り出す人の姿勢なんだなと思いました。

以前、昔の作家は仕事に行き詰ると自殺をしていたが
最近は覚せい剤を使うようになるということを
高齢化社会」で述べましたが、作品を創り出す根本は
作り出したいという心だと思います。
売れてしまって「つくりたい」という意欲より
「つくらなければならない」という義務感が上回ると
作品は作り出せません。

これは一般的な仕事にもあてはまります。
人件費を抑えてコスト削減を目指していたため
労働者ひとりあたりの仕事量が増え、
余裕がなくなっている現在、「仕事をしたい」という意欲より
「仕事しなければならない」という意欲が上回っているのです。
来月には「プレミアムフライデー」なる金曜日の仕事を
早めに切り上げる企画を国はしていますが、
まったく空気が読めていません。
ここに「1億総活躍社会」実現のヒントがあるので
はやく国は察するべきです。