アメリカ合衆国などでも、高速鉄道網の整備
を急ぐ国が増えています。
一から自国で立ち上げるのは技術的にも
予算的にも難しいことから、他国の企業から
受注することが一般的です。
その際「売り手」となるのはドイツ、中国と
日本が競争入札となることがよくあります。
今月初めにインドネシアで日本と中国が
受注競争をしていた案件は白紙となりました。
アメリカ西部での受注競争は中国が一歩
リードしているようです。
もちろん日本の技術を世界に送り出すことは
賛成です。
しかし、無理をしてまで受注する必用はないと
思います。
日本の新幹線は高速鉄道であると同時に
安全で正確な鉄道です。
各列車の運行状況は指令所で管理され
一部ミニ新幹線を除き踏切のない専用路線
を走行し、通過列車が通るプラットフォームは
開業時からホームドアを設置するなど、車両
以外の部分で通常の在来列車とは違います。
ですから他国よりコストがかかるのは必然で
これがネックだからといってダンピングする
ことは絶対にすべきではありません。
だからといって専用高架路線をあきらめて
踏切のある一般的な路線を走らせると
安全面で問題がでてくるので、ここで妥協
することもしてはいけません。
中国やドイツの高速列車を導入したいのなら
その国家に新幹線を買ってもらわなくても
よいと思います。
儲けることも大事ですが、導入してよかったと
思われることが重要で、そのための妥協は
するべきではないと思います。
車両について、東海道・山陽新幹線は長らく
車両のスピードアップを怠っていました。
将来は他国に新幹線を導入してもらおうと
思えば、ここは積極的になるべきです。
当時世界最速であった500系新幹線を
座席配置の都合などで、そのスピードを
活かせない体質では世界と競争はできません。
リニアに託すのではなく、新幹線として
時速400キロを可能な車両を開発しなければ
何のための全線高架、制御システムなのか
わかりません。