2016年10月20日木曜日

深夜アニメの自由と判断

昨日「萌え」キャラクターについて語った中で

アニメに関しては表現の幅が広いので、エロもグロも
ありますが、それと「萌えキャラ」を一緒にするのは
どうかと思います。

と言いましたが、この件について少しお話しします。


1990年代にはいりテレビ東京は他の民放局と同じ
立場にレベルアップするため多くの改革を行いました。
そのひとつが平日夕方6時台のアニメ番組制作です。
動画コストのかかる部分を人件費の安いアジアに発注する
ことでコストダウン、さらに角川書店、キングレコード
などのスボンサー兼制作協力のサポートでアニメを
量産し、1995年「新世紀エヴァンゲリオン」を
成功させます。
「新世紀エヴァンゲリオン」はエロ・グロい場面が多く
結局最終話は本来の作品を放映できませんでした。
逆にこれで作品価値があがり、劇場作品化されます。
成長戦略を成功させたテレビ東京は、夕方に放送していた
アニメ枠を夜7時台と23時以降の深夜枠に振り替えます。
家族で楽しむアニメ、個人で楽しむアニメの振り分け
です。これによって深夜アニメは規制が緩和されて
表現豊かな作品が増え話題を呼びます。
1998年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した
「Serial experiments lain」はその象徴的な作品です。
この傾向は放送枠がなく深夜アニメを放送していた
毎日放送などにもあてはまり、2000年を過ぎると
深夜時間の多くでアニメが放送されるようになりました。

「規制が緩和され」とは言いましたが、正確には
緩和されたわけでなく、少々エロ・グロでもクレームが
はいらなくなったのです。
その例が「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」で、
2014年1月サンテレビで22時30分から放送したところ、
BPOからクレームがはいり、2月以降は26時からの放送に
変更されています。
wikiによると
「中高生が視聴しやすい時間帯の放送であるにもかかわらず、
女子高生が自慰行為に耽るなどの性的描写や失禁シーンが
放送内容に含まれていたことで、BPOへ苦情が寄せられたため」
とあり、深夜ならエロOKという風潮だったのです。
作品の作り手が自由に作ることができ、日本のアニメーションが
発達した要因でもあるのですが、常にこの空気で作ってしまうから
昨日触れた「駅乃みちか」さんのようになってしまうのです。

芸術作品において自由に作れる風潮はとても大切です。
しかし、それを一般的なものに置き換える時はそれでよいのか
ジャッジすることも大切です。
また深夜アニメにおいて、現在は社会的な事件などの影響で
放送を中止する事例は普通にありますが、それができなく
なることのないように、自由が度を越さないように
これからも見極めていただけるようお願いします。