2015年11月5日木曜日

郵政3社上場

日本郵政とその傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の
3社が昨日、東京証券取引所第1部に株式を上場し、
初値はいずれも事前に申し込んだ投資家への売出し価格を
上回りました。
1987年のNTT(初値で約25兆円)以来の大型上場と
騒がれ、昨日の大きなニュースになりました。
しかし、本当にそれだけの価値があるのでしょうか?

まず、かんぽ生命の株価が他の2社より高いのは、
発行された株券が少ないからです。
ゆうちょやかんぽに詳しい人はご存知のとおり、
民間とくらべ競争力があるわけではありません。
ただ全国至る所にある郵便局のネットワークで優位に
たっているにすぎません。
過疎化の村では、コンビニがなくても郵便局は存在します。
しかし今回この郵便局である日本郵便は全国一律サービスが
保てなくなるとの事情から上場を見送りました。
結局、3社の株価が高いのは背後にある国の影による
信頼からといえるでしょう。

来年の年賀状を出すか出さないかという調査がありました。
(2015.11.5Yahoo!ニュース 意識調査調べ)
結果は出す62.1% 出さない37.9%だったのですが、年齢別で
30代以下16.7%、40代24.1%、50代24.5%、60代以上34.7%と
若年者の回答が少ない調査なのに出さないという回答が
4割近くあります。
もちろん、ゆうちょ銀行やかんぽ生命が投資力をつけて
預かった資産を上手に運営することも重要でしょうが
まずは「郵便」というものをもっと若年者を中心に、
利用してもらえるようなアイデアが必用だと思います。

ネット販売の普及で小包事業が増えてはいますが、
増えているにも関わらず、対応が遅れているのも事実です。
これは需要が拡大しているのに、ハードもソフトも
追いついていないのです。
物流拠点も同業他社と比べ劣りますが、それよりも問題は
ネット通販各社から受けるセクションとそれを家庭に届ける
普通郵便局です。
例をあげるとあるA社がB社に大きな荷物を100個ほど
送るとします。よく見る赤い軽ワゴン1台では無理なので
3台にわけて郵便局からの配達となります。頭のいい人なら
物流拠点を出入りする赤いトラックで配達すればいいと
思いますが、日本郵便輸送という別会社で郵便局と拠点、
あるいは拠点間の輸送専門のため配達はしないのです。
しかも拠点から来たトラックから別の拠点荷を下ろし
郵便局にまわし、郵便局から配達となるので時間、コスト
あらゆるムダが生じます。
モノづくりの企業がシステムに重んじてはいけないと
思いますが、日本郵政に関してはシステム構築が課題です。