『ろんぐらいだぁす!』、『第502統合戦闘航空団ブレイブウィッチーズ』
など「制作スケジュールの遅れ」を理由に放送延期が相次いで
発表される異例の事態が今のアニメでおこっています。
以前にも説明しましたが、動画制作を海外委託するシステムが構築
されて以降アニメ作品は増え続け、朝や夕方では枠が足りなくなり
放送時間の主軸は深夜へと移行しました。
その後はアニメをテレビで放送すればレコード会社、ゲーム会社や
書籍関係企業が利益を生むことが確実になり1年完結の作品1本
つくるよりも3ヶ月完結の作品4本作る時代になります。
2009年の「けいおん!」のヒットでさらに業界は過熱するのですが
アニメの作り手が作品本数に追いつかないのが、ついに今期露呈
してしまったと言われているようです。
動画作業は海外に委託するものの、原画や修正など基幹部分は
日本のアニメーターが手掛けるのですが、ここにお金が落ちない
のです。しかも宮崎駿がジブリ引退後、多くのアニメーターが
路頭に迷ったように、アニメーターは決して安定した職種では
ありません。
そんなアニメーターに優良な人材ばかりがいるとは言えず
報酬が安価のため複数作品を抱えてパンクしたり、品質が雑に
なったりするため、それを管理するほうにも負荷がかかり
崩壊していくのです。
その結果が『ろんぐらいだぁす!』のように12話中2話が放送できなく
になるという最悪の結果となりました。
利益が得られる環境であるのに、報酬がないために業界が発展
できないという皮肉なお話です。
アニメ業界ではありませんが、財務大臣が筆頭株主の某企業は
人手不足にもかかわらず、アルバイトひとり増やすのも難しい
ようです。
公務員のボーナスが昨年比1.7倍だそうですが、全体的に
報酬が上がり人手不足の解消が実行されない限り、
物価上昇率2%、一億総動員など夢のまた夢です。