2016年12月15日木曜日
北方領土
本日、ロシアのプーチン大統領が、安倍総理に待たされた
仕返しのように2時間遅れで来日しました。
今回、ロシアが日本に経済協力を求める一方、
わが国はもちろん北方四島の返還を求めます。
北海道東部の北方領土と呼ばれる地域について
少しおさらいします。
1855年 日露和親条約を結び、択捉島と得撫島の間を国境線とする
1875年 樺太・千島交換条約を結び樺太をロシア領、千島列島が日本領とする
1905年9月5日に締結されたポーツマス条約によりロシア領の南樺太は日本領となる
1945年8月15日 玉音放送により、日本の降伏が国民に公表
1945年9月1日 北方領土の択捉・国後・色丹島を占領
1945年9月2日 日本政府降伏文書(休戦協定)に調印
1945年9月5日 歯舞群島を占領
1952年 サンフランシスコ平和条約で連合国各国(ソ連等共産主義諸国を除く)と日本の戦争状態が終結した
千島列島、樺太での日本とロシアの領土問題は、
国境の曖昧な江戸時代からあったようです。
1855年から第2次大戦中までの間、何度も国境が
変わっています。
日本が北方領土を主張するのは、何度も国境が変わる中
北方四島は常に日本の領土であったからです。
それに加え、8月15日の降伏を宣言した後に
北方四島がロシアに占領されているところもあると思います。
で、なぜロシアは北方領土を解放しないのでしょうか?
それは凍らない海路の確保です。
過去にヨーロッパでも数多く戦争したり、
最近はクリミア半島を強引に併合したのは、これが要因です。
北方四島は冬でも太平洋へ抜けられる重要な海路なのです。
戦争する気満々の今のロシアが、日本に返すわけがありません。
で、日本はなぜ返還してほしいのでしょうか?
もちろん、かつて2万人近い人が住んでいて、
その人たちを故郷に帰したい思いもあるでしょう。
しかし本音は豊かな漁場で漁業がしたいのです。
東京一極集中で地方が過疎化していく日本において
今さら北方四島を開発する気は絶対にありません。
今回だけでなく、安倍総理とプーチン大統領の間で
北方領土が帰ってくることはありません。
ロシアは開発する気がなくとも、北方四島に住む国民に
減税するなどの措置をとり、繁栄させようとしていますが
日本は網走や根室への鉄道網が消滅の危機を
向かえています。
ロシアが返す気のないものを、ただ「返せ、返せ」で
ものごとは運びません。
首都一極集中の考えをやめて、返還後の北海道道東および
北方領土のあるべき姿を創造できないなら、ロシアとは
対話はしても、北方領土についてはしばらく口を閉ざすべきです。