2016年4月8日金曜日

関西電力が叩かれる理由

原子力発電所の停止を理由に電気料金の値下げを
見送った関西電力に批判が殺到しました。
原子力発電を人質に消費者を脅しているような
イメージを与えたからです。

この点だけで見れば、私は批判するつもりはありません。
「ジャパンプレミアム」とかつて言われたように、脱原発で
火力発電にシフトを戻した日本に対して、産油国が
日本にだけ特別な高いレートで原油を販売した経緯が
あり燃料コストが全然違うからです。

しかし、中部電力など他の電力会社が燃料を格安で
輸入する努力をしているのに対して、関西電力は
「いずれ原発を稼働させるのだから」と努力を怠って
いた点は否めません。
また、おおさか維新の会が指摘のとおり、賞与カットなどの
経営努力をせずに簡単に消費者に経費負担を負わせる
ところも叩かれている原因です。

関西電力がネットで消費者に電気料金の明細をお知らせする
「はぴeみる電」は電力料金、使用電力以外に、二酸化炭素の
排出量もおしらせしています。
これもまた叩かれる原因なのです。
火力発電は二酸化炭素を排出するけど、原子力発電は
空気を汚さないことを暗に強調しているのです。

マスコミも関西電力の電気料金が高いことに対して
「原発依存体質の高い関西電力は・・・」と前おきをつけます。
全国の電気料金で関西電力が高いのはなぜかという
疑問を持たせぬためなのですが、これがまた叩かれる理由
です。

残念なのは、東京電力、中部電力、関西電力の3大電力会社の
中で、一番電気料金が高く、競争力の弱い関西電力に対し
電力自由化の中で、関西電力に対抗できる新電力会社が
現れないことです。
たとえば大阪府と大阪市が、昼間は太陽光、夜や曇天時は
ごみ焼却場を稼働させ焼却する熱で発電するシステムを
広大な大阪臨海部の土地に造成し電力会社を立ち上げれば
それなりに関西電力も本気をだすと思うのですが・・・。